基礎・基本をキチント固める

独自の技術を掘り下げ、磨く。親会社に頼るな


エプソンは細密加工技術の応用で、インキ・ジェット・プリンターを国内シェヤー50%の製品に仕上げ、
世間が不景気と騒いでいる中で順調な業績を上げていることは良く知られている。

カイハラというデニムの専門メーカーは、固有の染色技術を掘り下げて、
質の高い独自の染色技術を確立し業績を伸ばしている。

このような例は企業の大小を問わず沢山ある。
専門メーカーには固有技術がある。
固有技術を頼って、「こんなことが出来ないか?」と言う「難しい」仕事の相談・問い合わせは常にある。

このような相談に真正面から取り組んで、
固有の加工技術を掘り下げ、独自の加工技術として磨き上げた会社が、
その時代の専門分野でのリーダーとなって生き残る。

固有の技術をしっかりと意識し、顧客のニーズを正しく理解して、
市場で競争優位に立てる部分の技術やノウハウを 優先的に掘り下げ・磨き上げるのである。

留意すべきは、「技術」と一言でいうが、内容は実に深いことだ。
どんな場合でも複数の高度な技術とそれらを「管理する力」とが調和して初めて達成できることである。

厳しい「精度の管理」と「管理の精度」の追求が 日常的に為される営みが無ければ出来ないのだ。


現場主義・中心は人。親会社に頼るな


顧客のニーズを把握しているのは現場である。こんなことは言い古されて久しいことだ。
それが発展に伴って組織が肥大化すると、知らず知らずに中央集権になっているのである。

顧客に直接接する営業現場で 顧客のニーズと時代の変化を漏らさずに聞き取り
技術・加工の現場に正確に伝える。
顧客のニーズを時代の変化に即して迅速に満たす改善努力を、全員が日常的にする。
社員は、権威ではなく、時代を映した市場のニーズで行動するのである。

会社がこのように仕組まれ、
このような行動を日常的に出来る社員作りが為されていることが大切なのだ。
此れをやらずに来てしまった所(会社・役所を問わず)と、きちんとやってきた所の差が、
時の変わり目に結果として大きく現れるのだ。

事業の中心は人だ。
人が志していることは、自分がしたいことを自分で決めることが出来ることである。
やりがいがある仕事をするから、仕事が生きるし人も生きる。
社員が主体的に、時のニーズと抱いている夢をマッチさせ実現出来るように仕組まれた会社が、
時代を生き抜けるのだ。


利益のでる事業へのシフト


営利を目的にしている組織では 此れこそが基礎・基本そのものである。躊躇が命取りになる。
多くの人はこの「実に単純な決断」が出来ずに破綻を招くのもよく知られたことだ。

決断する時に過去を見てはいけない、先を見るのだ。過去を見ると、投入したものの大きさに怯えて、決断しにくくなる。
時代の潮目を読んで大きく舵を取り、乗れる波には果敢に乗り、乗り切ることが出来ない波を避けるのである。
今までに投入した資源(研究・開発・事業)を振り返って、惜しんではいけない。
これから急速に変わる諸条件を基準に冷徹に先の見通しをつけ、腐っている所を切り落とし、元気な所に集中するのである。

「資産は持っているだけ」では意味をなさない。起こして価値を生むように稼動させてこそ意味がある。
稼動できないならば、出来る人に「早く」譲るが良い。

利益が出るからと言って 「人の売り買い」はやってはならない。
「人」とは「人権、人格、人の能力
」などだ。単なる営利事業として これ等を売買してはいけない。
あくまでも本人が基準で、仲介が商売の範囲だ。


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